行き当たりばったりのクルマ旅 秋田県・象潟を目指す 山形県・酒田〜秋田県・象潟
行き当たりばったりのクルマ旅 秋田県・象潟を目指す
山形県・酒田〜秋田県・象潟
日本一大きい岩ガキにやっと出会えた
象潟である。それは、強烈なアミューズメントパークと化した道の駅にあった。にもかかわらず、スルスルとキャブコンを滑り込ませた後、脇目も振らず岩ガキへ一直線。
話には聞いていたのだが、本当に…デカい。ある意味驚がく。さすがにその日の漁の調子から自分の手のひらより大きいものは揚がっていなかったが、大きさと厚みが驚異的なのだ。
なぜ象潟のカキがそれほどもてはやされるのか?
大きさだけで考えれば、周辺漁港でも同等のものは多数あるのは途中地域での写真を見るだけでも理解できるだろう。
その真相は、背後に鳥海山を有し、その伏流水が岩ガキの育つ海底で出ていて、海水温が下がりつつ塩分濃度も下がることに由来するようだ。
さらにその伏流水がもたらすミネラル分と、それにより育てられた豊富なプランクトンが存在することが、岩ガキを抜群の味にする要因。もちろん天然物。
おまけに、ほんのちょっと捕れる場所が変わっただけで、びっくりするほど塩気と味わいが変わる。さらに肉の厚みや殻の形状まで違っている。絶対食べ比べをすることをお薦めする。
並べて比較するものがないとわかりにくいが、どれも大人のげんこつサイズ。一口で口に入れるのはちょっと無理な大きさなのだ
直後、象潟周辺の港に揚がったプリップリの岩ガキが産地ごとに分けられ、ここぞとばかりに並ぶ。価格もその日によって相当違ってくる
2代目土田 豊さんは、若いころは東京でイタリアンのシェフだった。説明が上手で象潟の岩ガキを超絶アピール。向かいですしダイニングも経営されている。
アッという間に3人で6000円分ほどを平らげる。仕上げに焼きガキを食べるとおなかが落ち着く。価格は8月の最盛期にはかなり落ち着き、1個300~400円ほどになる
秋田県小砂川産が6月に解禁、象潟産は7月に解禁、8月下旬にはほぼ終わってしまう限られた期間のみ味わえる夏の風物詩。
朝一番、開店時間の9時に店頭に立ち、速攻で大量に流し込む朝食を取る。なぜなら、解禁日に合わせて出かけてくるファンも多く、一番いいものをだれにも食べられたくないからという暴挙的理由がそこにはあった。
土田水産(道の駅象潟内)
秋田県にかほ市
象潟大塩越36-1
TEL 0120-511639
市役所前にある象潟郷土資料館へ
腹ごなしににかほ市役所前にある象潟郷土資料館へ出向くと、地元ゆかりの「池田修三 色彩のメッセージ展」が’19年5月まで併催されていて、お得な感じ。
秋田市立千秋美術館では、9月〜11月ごろ、「千住 博高野山金剛峯寺襖絵完成記念展」をやっている。
千住さんって、そういえば大学の先輩でいっしょに学校行ってたなぁ、などと懐かしい名前が目に入ったことに驚くと同時に、ビックリするような大仕事をやっていることに、年だけとって成長しない自分のふがいなさに打ちのめされたりして。
でもその後に涼を求め元滝伏流水に出かけると、秋田にそれほど縁があるとは思えなかった先輩の展覧会が開催されるのがわかったような気がする。
道の駅象潟ねむの丘には、10~18時に無料で楽しめる足湯があり、日本海を望む展望温泉眺海の湯もある。展望塔は無料で、九十九島が一望。田んぼに水を張った時期なら、本当に松尾芭蕉がうたった隆起前の絶景なのだ。
元滝伏流水は、滝の上部から直接湧き出ているスゴさがあり、霧に包まれると幻想的。千住さんは大学院のころからあんがい滝をテーマに描いていたが、最近作の絵のままの風景がそこにあったのはかなりの驚きだった。
象潟郷土資料館
秋田県にかほ市象潟町浜ノ田1
TEL 0184-43-2005
入館料150円
上杉神社
米沢城本丸跡に建立され、街のど真ん中だが大型も大丈夫な駐車場を完備。見所が多く春は桜が堀端にきれいに咲くので観光客が多い。
米沢といえば上杉謙信そのほか、上杉家には有名人が多すぎて、だれが一番と断定できず神社には6柱祭られている神社に着いた途端口にしたのは、山形名物玉コンニャク。最近は米沢牛コロッケらしいが、コンニャク好きは絶対こちらを選択。
上杉神社
山形県米沢市丸の内1-4-13
TEL 0238-22-3189
米沢市民のソウルフードはヒツジ
新潟を通って秋田に出たので、帰りは山形まわりを選択するのは当然の成り行き。
山形といえば米沢牛を想像するのが通常腹ペコ思考回路だが、ここはへそ曲がり度を発揮する。
「確か、前田慶次に毎年お参りし、花の慶次パチンコが大好きなコンピュータープログラマーだった人が…」。それは、ヒツジ。これを知って食べずにいられようか。
義経焼と言うらしい。ミソ仕立てのジンギスカン? だろうか。鍋もそうだし。
なんで義経なの? ここからは勝手な想像だが、北海道のジンギスカンはヒツジといえばモンゴル、モンゴルといえばジンギスカンが有名、でヒツジを使ったらジンギスカン…、とそれでいいのか? と思うような一説がある。さらに源義経がチンギス・ハンであるというまことしやかな伝説が北海道にあり…、まさかしょう油ダレ仕立てでジンギスカンならミソ仕立ては義経ってわけじゃないよなぁ〜。
などとむだなことを考えつつほおばってみると、かなりおいしい。人数分がアッという間になくなる。追加で普通のジンギスカンを頼むと、口直しにまたペロリと入ってしまうという、身もふたもないオチまで付いた1200㎞の食い道楽行だった。
なみかた羊肉店
羊肉なら昭和三十三年創業の「なみかた羊肉店」ラムからマトンまで、定番部位から希少部位まで国内トップクラスの品揃え。
2階の「めぇちゃん食堂」で、義経焼をまずは2人前。
岐阜の鶏(けい)ちゃんと似ているが、そもそも鶏ちゃんは精肉店が独自に改良したジンギスカンが起源といわれているから、本来はめぇ~ちゃんが正解?
なみかた羊肉店
山形県米沢市東2-1-30
TEL 050-5589-7118
いろは支店
山形といえば冷やしラーメンが有名。いろはでの目的はげそ天盛りそばだったが、あるのが11~4月だったので河北名物肉そばを。
いろは支店
山形県西村山郡河北町谷地字
月山堂411-3
TEL 0237-72-2831
田んぼアート
田んぼアートは青森県南津軽郡田舎館村が始まりで全国に広がり、米沢でも9月末まで見ることができる。
途中の道と駐車場がやや狭いかも。
田んぼアート
山形県米沢市小野川町2643
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