北総四都市(佐倉・成田・佐原・銚子) 軽キャン紀行
北総四都市(佐倉・成田・佐原・銚子) 軽キャン紀行
佐倉・成田・佐原・銚子に江戸を感じて
江戸風情の残る町並みがあり、海があり、美食があり、歴史的な遺産も多い北総。
リチウムイオンバッテリーを搭載したNEWバロッコを相棒に、日本遺産の「北総四都市」をぶらりと旅してみよう。
日本遺産はモノでなくストーリーで構成
ブルブルッ…ポケットの中でスマホが騒ぐ。
「よう、工藤クン。元気?」
画面をタッチすると、バイブレーションの派手な騒ぎ様とは裏腹に、ニヒルな編集さんのクールな声が聞こえてきた。
「日本遺産って知ってる?」
「いや、知らないです」と僕。
「そうかぁ…じゃあ勉強になるからこの際覚えちゃおう。世界遺産って、アンコールワットだったり富士山だったりするじゃん?」
「はい、そうですね。熊野古道とか…」
「日本遺産はそうじゃなくてさ。ある1つの『モノ』じゃなくて『ストーリー』なんだよね。そのストーリーの中にいくつも文化だったり歴史的建造物だったり、食べ物があったりね」
ううん…なんだかワケわからなくなってきたぞ。この時点で僕にわかることと言えば、このあと編集さんが「そういうことなんで、軽キャンパーで旅してきて!」と言い出すことだけだ。
「そういうことなんで、北総を旅してきて!」
と編集さん。あ、やっぱり。でも、僕はニコニコだ。軽キャンで旅ができるなら、
お題目はぶっちゃけ何でも楽しみだから。北総四都市軽キャン紀行PHOTO:jami江戸風情の残る町並みがあり、海があり、美食があり、歴史的な遺産も多い北総。
リチウムイオンバッテリーを搭載したNEWバロッコを相棒に、日本遺産の「北総四都市」をぶらりと旅してみよう。
「はい、喜んで!」と、どこかのチェーン店の居酒屋のウエイターみたいな返事をした僕は、日本遺産を自分なりに調べてみた。文化庁に現在登録されている日本遺産は、全部で104ストーリー。全都道府県に遺産が散らばっている。世界遺産とかぶっているところはほとんどなく、独自色が強い。これ、面白いじゃん!
その中でも今回ご指名の「北総四都市」は、ストーリー番号が23。毎年増えていっている遺産の中でも、平成28年度に登録されているから「日本遺産の中の日本遺産?」みたいなものだろうか。
まあ、行ってみたらわかるでしょ。知り合いのまゆみチャンに声をかけて、一緒に旅してもらうことにした。
雄大な太平洋を独り占めするシーサイドクルージング
NEWバロッコとともに四都市巡りへGO!
旅の頼れる相棒は、フィールドライフのバロッコ。真っ白なボディカラーで、街に自然に溶け込むのがいいね。
日本遺産の「北総四都市」の4つの都市とは、佐倉・成田・佐原・銚子のこと。
百万都市と謳われた世界有数の都市であった江戸からほど近く、佐倉街道、成田街道、銚子街道といった街道の整備が進んだという。すっかり都市化した東京と違って、北総は江戸の風情を残しているのが魅力だ。僕は銚子に向けて、バロッコを走らせた。
「海が見たいなー。大きな海」というまゆみチャンの希望を採り入れつつ。江戸初期の大工事で利根川の河口になった銚子は、天然の漁場に恵まれた土地。海産物は美味しいし、最近は名勝の屏風ヶ浦が米津玄師の新曲のプロモーションPVに使われたりして、ナカナカ熱い。屏風ヶ浦を含む「銚子の磯巡り」というのも、遺産の構成要素の1つだ。
東京から延々3時間半、僕らは屏風ヶ浦すぐそばの銚子マリーナに着いた。東洋のドーバーとも呼ばれる、断崖絶壁の本当に屏風のような景色が目前に広がっていた。
「スゴイ…火曜サスペンス劇場って感じかも…」とまゆみチャン。
「刑事に追い詰められた犯人が飛び込んじゃうみたいな…確かに火サスっぽいね」
僕らは、屏風ヶ浦沿いに整備された遊歩道を歩いた。江戸時代にはコンクリートで整備された道はなかったけど、やっぱりこの景色は人気があったらしい。当時は香取神宮・鹿島神宮・息栖神社にお参りする「東国三社詣」が江戸っ子に人気で、銚子周遊はそのイベントのオプショナルツアーとして好評だったそうだ。時代は違っても、みんな旅を上手に楽しんでいたんだなあ…。
江戸時代の旅人に倣ってオプショナルツアー
ちょっとお腹が減ったな…。マリーナの近くには、漁港から新鮮な魚を仕入れて調理する店がいくつもある。僕らは、その中でも、店主が船で釣り上げた魚を食べさせてくれるという「いたこ丸」に寄った。刺し身とシイラのフライがセットになった「いたこ丸定食」は絶品!
食事処「いたこ丸」
銚子市のほぼ最東端に位置する外川港前にある食事処「いたこ丸」
店主が自ら船で釣った魚の刺身や天ぷらなどの定食を堪能できるほか、日替わりメニューも味わえる。
住所: 千葉県銚子市外川町1-10875
TEL: 0479-22-7199
営業時間:11:00〜14:30
木曜定休
江戸時代にタイムトリップした気になれる佐原の町並み
江戸時代から佐原で本の出版・販売を行ってきた正文堂。建物の建築年代は明治13年とされるが、江戸の町家のたたずまいを残している。
小野川では舟巡りをすることもできる。小江戸の雰囲気を存分に楽しみたいならお薦めだ。
川に階段状にせり出した「だし」と呼ばれるかつての荷揚げ場。現在では観光船の乗り場などに活用されている。
うなぎ別館山田
ご飯に直接うなぎが乗った「直鰻重」の上は3850円。3450円の並でも十分ボリューミーなのでお試しあれ。ご飯とうなぎが別々の「鰻重」や白焼きも頼める香取市で極上のうなぎを味わいたいなら、ココ「うなぎ別館山田」がお薦め。国道51号線沿いに位置しており、アクセスもしやすい。佐原駅前にも山田の本店がある。
住所: 千葉県香取市玉造1丁目1-22
TEL: 0478-52-5354
営業時間:11:15〜14:00・17:00〜19:00(水曜夜のみ17:00〜18:00)
木曜定休
佐倉
政治的、軍事的に要衝であった佐倉。江戸に入った徳川家康以降幕府はこの地を重視し、有力な親藩・譜代大名が配置された。
佐倉城址は、現在佐倉城址公園として生かされている。
成田
北総四都市の成田は、江戸庶民の間で成田参詣がブームになったことから成田山とその門前町が発展した経緯を持つ。
初代市川團十郎は、成田山に深く帰依していたという。
日本遺産はあなたのすぐそばで待っている…
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