北東北の絶景を旅する 前篇
今まで見たこともない風景に出会いたい、これも旅の目的のひとつだろう。
季節によって表情は様々に変化し、見る人の気持ちによっても印象は変わる。
その一瞬はあなただけのもの!
さあ出掛けよう。
絶景01 少し歩きから本気登山まで、見どころが満載 栗駒山
9月下旬ごろから、赤黄橙に燃えるように染まった山肌がドライバーを魅了する栗駒山麓。
秋田・宮城・岩手の3県にまたがるこの山へのアクセスの1つ、
岩手県一関ICから国道342号を走るルートをご紹介。
走り出してすぐにあるのは、名勝・厳美渓。栗駒山 を水源とする磐井川の中流にあり、
紅葉も見事だ。近くに道の駅「厳美渓」があり、
ここでは一関市名物のもち料理などが楽しめる。
さらに国道を進むと、両脇はブナの巨木が生い茂る祭畤(まつるべ)の森が広がる。
遊歩道を散策しながら、小人になったような気分を味わおう。
標高1126mまで上がった秋田県との県境には、栗駒山登山のベースともなっている須川高原温泉(岩手県)、栗駒山荘(秋田県)の2施設がある。
湯量豊富な強酸性の湯が人気。
10月中旬、須川高原温泉 から見た雲海。湖沼や高 層湿原、花の群落地などがあり、
季節ごとの見どころが豊富
8合目にあたる須川温泉 登山口から1時間ほど歩けば、瑠璃色の昭和湖へと出る。
頂上まではさら に1時間のトレッキング
須川高原温泉から秋田県側、約1kmのところにある須川湖。
酸性度が高く魚はいないが、ブナ林に囲まれた静かで美しい湖。キャンプ場もある。
ぶな林保護のため、遊歩道以外は歩かないようにしたい祭時の森。
ぶなの森まつるべ館や祭時温泉、真湯温泉など立ち寄り所も多数。
DATA
栗駒山◎標高1627.4m
所在地◎岩手県一関市 (秋田県湯沢市・宮城県栗原市)
道路◎国道342号
紅葉時期◎9月下旬~ 10月上旬
推奨旅ルート
一関IC→国道342号線(約 7分)→厳美渓・道の駅厳美渓→(約7分)ぶなの森まつるべ館(約60分) →須川高原温泉→栗駒山トレッキング
総走行距離:約42km
絶景02 盛岡から久慈をつなく白樺のトンネル 平庭高原
盛岡市から久慈市へと抜ける国道281号沿い4kmに渡って、約30万本の白樺並木が続く。 初夏から紅葉の時期にかけてのドライブは実に気持ちのいいもの。
冬は平庭高原スキー場がにぎわい、まっ白に雪化粧した白樺林がまた違った趣を感じさせてくれる。盛岡方面からのアクセスなら、葛巻町の「くずまき高原牧場」と「くずまきワイン」にぜひ立ち寄ろう。
コテージで牧場内に泊まれるのと、山ぶどうワインの試飲ができる。
白樺林に囲まれた平庭山荘では、しらかばの湯にて日帰り入浴が可能 (500円)。
「レストランやまぼうし」では、短角牛ステーキや”まめぶ汁” などの郷土料理が食べられる。
DATA
所在地◎岩手県久慈市山形町
道路◎国道281号
紅葉時期:10月上旬~ 10月下旬
推奨旅ルート
盛岡市内→国道4号・281号 (約90分)→道の駅 「くずまき高原 」・ くずまき高原牧場
→国道281号(約45分)→ 平庭高原・平庭山荘→(約40分)→久慈市内
総走行距離:約130km
絶景03 見下ろすように眺められる岩手山絶景スポット 玉山牧場
盛岡から岩泉へ抜ける国道455号から北側へ1本入った玉山牧場内の道。
ここからの岩手山の眺めは、遮るものがなくまさに絶景。
2038mの岩手県最高峰ながら、同じ目線に山の頂を見る感覚が味わえるのもこのルートならでは。
ワインディングこそあれ道は舗装されており、やがて岩洞湖を経て、
また国道455号へとつながる。
岩洞湖レストハウスでは、名物・藪川十割そばが食べられる。
冬はワカサギ釣りで賑わう人造湖だ。
空気の澄んだ日を狙えば、空中散歩さながらのドライブコース。
逆に、霧が発生した場合は、走行を控えよう。
DATA
所在地◎岩手県盛岡市玉山区薮川
道路◎国道455号(小本街道)
推奨旅ルート
盛岡市内→国道455号・場 内道路(約50分)→玉山牧場→(約20分)→岩洞湖家族旅行村キャンプ場 →岩洞湖レストハウス→国道340号(約100分) → 平庭山荘
総走行距離:約87km
絶景04 展望台から、海上から、迫力の断崖を望む 北山崎
リアス式・三陸海岸の景勝地、北山崎。
高さ200m にもなる断崖が8kmにわたって連なっており、波がぶつかり砕け散る迫力の景色を、 海岸上の展望台から見ることができる。
春~夏はこの土地独特のやませという気流で霧が発生するが、
その風景もまた多くの写真家を虜にする。
秋以降は徐々に空気が澄んでくる。またここは朝日を見る絶景ポイントとしても知られている。
洋上からは、小型船の「サッパ船」で遊覧するサッパ船アドベンチャーズがお薦め。
近海は、親潮、黒 潮が交わる好漁場。
NPO体験村・たのはたネットワークでは様々な体験やツアーも実施。
DATA
所在地◎岩手県下閉伊郡田野畑村
道路◎県道44号
推奨旅ルート
北山崎展望台→県道44号・ 国道45号(約27分)→道 の駅「たのはた」→(約13分) →サッパ船アドベンチャーズ (羅賀漁港)→(約50分) →グリーンピア三陸みやこ→(約90分)→浄土ヶ浜
総走行距離:約62km
絶景05 八幡平アスピーテライン
岩手県八幡平御在所地区(八幡平スキー場前)から秋田県へ抜ける、全長約27kmのドライブコース。
登りはじめのコーナーからどんどん標高を上げていき、峠付近はなだらかで走りやすいのが特徴。
途中の岩手山の眺めもさることながら、紅葉の時期にはパッチワークのような山肌が ドライバーの目を楽しませてくれる。
開通初めの4月中旬ごろは、まだ道路の両脇に数mの残雪が壁を作っており「雪の回廊」を楽しむことができる。
アオモリトドマツに 覆われた樹林帯の中に大小の湖沼が点在するのも八幡平の特徴。
写真は、茶臼岳からみた熊沼
DATA
所在地◎岩手県八幡平市~秋田県鹿角市
道路◎県道23号
紅葉時期◎9月下旬~ 10月中旬
開設期間◎4月下旬~ 11月上旬
推奨旅ルート
松尾八幡平IC→県道23号・アスピーテライン(約60分)
→見返峠・八幡平山頂レストハウス・ (トレッキング・八幡沼散策)
→県道318号(約5分)→藤七温泉→八幡平樹海ライン
総走行距離:約46km
絶景06 クルマを降りてすぐに散策できる白神ブナ林 岳岱自然観察教育林
ブナ原生林・白神山地を、だれもが気軽に散策できるのが、岳岱自然観察教育林。
秋田県・藤里町からクルマで約40分でアクセスでき、ウッドチップが敷かれた歩道は
車イスでも入れるようにバリアフリー化。
木々の間は木道でつながれていて歩きやすい。
散策時の休息には、岳岱内に流れ出る冷たい水を。
ブナの幼木やコケ、池の 虫などの観察用ルーペを持参すればさらに面白い。
一眼レフカメラならぜひマクロレンズを。
巨大なブナの間を見上げながら歩く。
ウッドチップで歩きやすいが、 環境保護のためにもシューズは運動靴を持参しよう。
岳岱内には、樹齢400年を超えるブナの巨木も存在する。
保護のため接近することはできないが、四季ごとに美しい表情をみせる
DATA
所在地◎秋田県山本郡藤里町
道路◎県道317号
紅葉時期◎10月中旬~ 10月下旬
推奨旅ルート
琴丘能代道路・能代南IC→羽州街道・国道7号・県道317号 (約46分)
→湯の沢温泉・ホテルゆとりあ藤里(日帰り入浴・宿泊)→県道317号(約27分)
→太良峡→県道317号(約15分)→岳岱自然観察教育林
総走行距離:約55km
絶景07 黒板塀が見事なみちのくの小京都 角館 武家屋敷
1620年(元和6年)、角館地方を治めていた芦名義勝によって造られたこの町は、
現在、伝統的建造物群保存地区に指定。
新緑のころのサクラもさることながら、秋には、木々が色づき、
赤黄と黒板塀とのコントラストでしっとりした雰囲気に包まれる。
メイン通りは車両のすれ違いも容易なほど幅広く、走りやすい。
クルマは桧木内川堤防沿いの桜並木駐車場に止めて、ぜひ散策を。屋敷内も見学しよう。
江戸時代末期の屋敷割や主屋・ 門・倉の屋敷構え、
枡型など武家町の特徴が見られる武家屋敷通り。
角館駅前 には伝統菓子「もろこし」や 「なると餅」が買える店もある。
DATA
所在地◎秋田県仙北市角館町
道路◎角館町武家屋敷通り
紅葉時期◎10月中旬~ 11月上旬
推奨旅ルート
秋田自動車道・大曲IC →国道105号・羽州街道・ 角館街道(約40分)→角館武家屋敷
→県道250号(約15分)→抱返り渓谷 散策→国道341号・県道 127号(約50分)
→休暇 村乳頭温泉郷
総走行距離:約68km
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