小さいから自由になれるver.3 SUBARU SAMBAR VAN(1972)
SUBARU SAMBAR VAN(1972)
走り重視のクルマから大転換 メッキと磨きでオシャレに再生
そもそもサブロク時代のサンバーはデザイン性に優れる洒落た商用車だったが、残念ながらドアが前開きとなった70年からは押し出しの強さを意図したダミーグリルが装備されてしまう。
現車はその後期「すとろんぐサンバー」だが、サングラスを取るがごとくグリルを外して本来のつぶらな瞳を復活、純正色として設定されていたパステルカラー、ビーイエローで仕上げている。
しかしそれだけでこの垢抜けた印象が生まれているわけではない。バンパーやミラー、ホイールと、要所をメッキで仕上げ上質感を出しつつ、黒いところはより黒くして締まりを出していることも大きい。これらレストアをほとんど自分で行ったと言うから感心するが、それ以上にセンスが光る。
オーナーの佐々木英一郎さんのクルマ趣味は、GX71マークⅡでスタートした。その後180SX、チェイサーへと移行するが、いずれもみっちり手を加えた、いわば走り屋仕様。そこからの転機は、結婚だった。
「本当はハコスカとかが欲しかったんですが、でも雰囲気からして同じことになりそうで、もうやめようと決意しました」。
サブロクから選ぶことに決め、サンバーとハイゼット(S37)に絞って探していた時に見つけたのがこの車両。
ただやはり根が凝り性のためか、レストアや磨きに熱中してしまったのがオチ。
「でも、運転が楽しいです。普通に走らせるだけで面白い。満足していますよ」。
元走り屋にそう言わしめる魅力を小さい商用車は持っている。
66年登場の2代目サンバーバンは、70年にダミーグリルを装備しドアが後ろ開きに。
現車は72年にグリルが大型化した「すとろんぐサンバー」。ドラムはサビを落としカチオン電着塗装、ホイールは
メッキ仕上げとして輝きと締まりに気を遣う。
エンジンもサンドブラスト処理で下地を作った見事な仕上がりだ。
室内はスーパーデラックス風に仕上げているが、旧車の雰囲気は損なわないよう配慮。
細部の仕上げに徹底注力。ピカールで丹念に磨いたほか、ヒンジ部などには無電解ニッケルメッキを施すなど多様な表面仕上げを実施。
ピカールでひたすら磨いて黒さを復活させたウエザーストリップ。まさに執念で仕上げた。
オススメ記事