1973年式フェアレディ(FAIRLADY) 240ZG 何十年でも楽しめスタイル とパワーが魅力

1973年式フェアレディ(FAIRLADY) 240ZG 何十年でも楽しめスタイル とパワーが魅力

1973 FAIRLADY 240ZG [1973年式フェアレディ240ZG]

 

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S30フェアレディZはS20型エンジンを搭載するZ432と、グランドノーズとオーバーフェンダーを装着する240ZGに人気が二分する。

どちらにも甲乙付けがたい魅力があるのは確かで、どちらがいいということではなく、どちらが好きかを優先したい。スタイルと排気量に勝る240ZGのモダナイズ例から、ZG 派の魅力を探ろう。

 

ノーマルな外観に熱い走り

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本格的なスポーツカーであるためには日本で最高の性能でなければならない。

プリンス開発のDOHC、S20型エンジンを採用したZ432は、まさにその名に恥じないスポーツカーだ。発売後の70年1月、レースに投入されるものの翌年には輸出向けL24型を搭載する240Zがレースデビューして、S20型より速いことを証明してしまう。そこで71年には240Zシリーズも

国内販売を開始。グランドノーズと前後オーバーフェンダーを装着した240ZGがイメージリーダーとして君臨した。

だが、時代はオイルショックに排ガス規制と、スポーツカーに厳しい条件を整えていく。当時はまだ3ナンバーとなる240Zには法外ともいえる自動車税が課せられていた。73年9月のマイナーチェンジる。これ以外の0010、0030が標準のZで、0050と0080がZ-Lを指すのだ。

また車体色がZGのみ他のモデルより少ない。通常はブルー、ホワイト、レッド、シルバー、グリーンの5色が存在するがZGはマルーン、レッド、ホワイトのみの設定となる。

240ZGは、20数年前にレストアされた車両。オーナーのAさんが買ったのは普通の中古車ショップからだった。弟さんがすでにS30Zを乗り継いでいたため、購入と同時にレストアを始め、チューニング済みだったエンジンなどの機能部品を前車から移植することとなった。

まだ当時は新品パーツが豊富で、このZGにはドアやフェンダーなど出来る限り新品部品を使ってレストアされた。エンジンで通称「後期型」に生まれ変わると、Z432と240Zはカタログから姿を消す。その結果、中古車人気に火が付くのだから皮肉なもの。そしてそのチューニングが全盛になっていくのだ。


 

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75年に設立したスピードショップクボ(SSクボ)に代表されるよう、フェアレディZをエンジンチューニングして楽しむことがメジャーになっていったのだ。そのベースはやはりL型。簡単に排気量アップでき、乗りやすさを損なわないのだから。

240ZもL20型と同じように「Z」と「Z-L」があり、トップエンドに「ZG」があった。L20型のZは4速MTだったが240は標準型のZでも5速MTが与えられたので、240Zと240Z-Lの違いは装備のみといえる。ストップウオッチ付き時計、ゴム付きバンパー、熱線入りリアウインドー、ヘッドランプカバー、助手席フットレスト、ホイールカバーなどの有無だが、ほとんどがオプションでZにも装着可能だった。

ZGでは240Z-Lにグランドノーズとオーバーフェンダーがプラスされ、ZやZ-Lよりも全長と全幅が拡大。これ以外に車検証での見分けは難しく、どちらも型式はHS30のみで、カタログなどにあるHS30H(ZG)、HA(ZG・AT)というアルファベットは車検証にもないからだ。240Z(HS30S)やZ-L(HS30D)とZGを見分けるには、車検証の類別区分番号を見なければならない。ここに0070とあればZGの5MT、0100とあればZGのAT車となる。これ以外の0010、0030が標準のZで、0050と0080がZ-Lを指すのだ。

また車体色がZGのみ他のモデルより少ない。通常はブルー、ホワイト、レッド、シルバー、グリーンの5色が存在するがZGはマルーン、レッド、ホワイトのみの設定となる。

今回撮影した240ZGは、20数年前にレストアされた車両。オーナーのAさんが買ったのは普通の中古車ショップからだった。弟さんがすでにS30Zを乗り継いでいたため、購入と同時にレストアを始め、チューニング済みだったエンジンなどの機能部品を前車から移植することとなった。

まだ当時は新品パーツが豊富で、このZGにはドアやフェンダーなど出来る限り新品部品を使ってレストアされた。エンジンは前に乗っていたZから移植したもので、SSクボでチューニングしてあるものだったから、その走りは格別。R180LSDや強化クラッチも組み込み、足回りはH150サスにカヤバのダンパーとリアスタビ、Mk63ブレーキなどを装備。ブッシュも入れ替えた。

この仕様になって20数年を過ごしているAさんだが、乗り換える気もなければ過不足もないという。走りはさすがに現代でも一線級だし、日に当てず色あせとも無縁のボディは、むしろ現代の無味乾燥なスタイルばかりのクルマたちがあふれる路上にあって、その輝きを一層増している。買い足すことはあっても手放す気は全くないというAさんだった。

 

第一線の走りへモダナイズ

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チリが合っていないのが純正Gノーズの特徴でもある。フロントウインカーは輸出用260Zのクリアで、内側にオレンジのフィルターが入っているタイプ。


 

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ドアから流れクオーターウインドーと同時に跳ね上がるキャラクターラインがリアフェンダーの特徴。

純正オーバーフェンダーはフェンダー内のツメがそのままなため、折り曲げないとタイヤサイズも限定される。

直射日光を長年当てると、どうしてもダッシュボード上部がひび割れてしまうもの。このクルマは車庫保管のため、まったく無傷のまま。黒塗りワイパーは240Z-L以上の専用装備。

ワンオフで製作したタコ足+マフラー。出口のみデュアルだが、純正縦デュアルとはパイプの間隔が違う。リアスポイラーはオプションだったためエンブレムの張り方や種類もディーラーにより違った。

 

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キャブレターはソレックス44PHHに弁当箱仕様。

L型はターンフロー方式のため、チューニングした際は吸気と排気の中間にアルミなどの遮熱板を装着するとよい。

ノーズ内に収まるL型エンジン用のオイルクーラー。20数年前にホースを頼んだら片側7万円もしたという! なお、Gノーズ内側の整流板は装着されているものとないものがある。

SSクボの手によりチューニングされたL24型エンジン。右手前には増設して2機になった燃料ポンプ。トランク内に収まらなかった。

 

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チューニングエンジンの走りに相応しいよう、シートは左右ともレカロのバケットに交換。シートベルトのパッドは後から装着したNISSANレプリカを装着している。

磨き込まれたステアリングホイールが美しいインパネ。最近では旧車にも装着率の高いETCユニットは、ステアリングコラム下の目立たない位置にしている。

 

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センターコンソールの空調スイッチ下にはお約束の3連追加メーター。左から水温・油温・油圧計となる。今は無き大森製。

シフトレバーとサイドブレーキのカバーは純正のビニールレザーだとひび割れてボロボロになってしまう。Aさんは本革で作り直した。

トランクの荷物バンドには余りを束ねるクリップが存在。パーツナンバーがないため、知る人ぞ知る小物パーツ。

 

スピードショップクボ

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