1ボックスカーの元祖「ハイエース」〜オーナーレポート編 その1〜

今では当たり前の存在になっている1ボックスカー。
その火付け役となったのが初代ハイエースの誕生によるものだったということを
知っている人は少ないのではないか。
「お台場旧車天国2015」に参加したオールドハイエースクラブのオーナーたちに、
約48年の歴史を持つハイエースの魅力を聞いてみた。

初代から3代目までのハイエースに乗るオーナーたちのクラブが
「ハイエースクラシックス」というクラブだ。
ミーティングはもちろん、日頃も現在入手がしづらくなった車両やパーツの情報交換、
修理方法などを共有している。

 


 

 

初代 コミューター (昭和49年式)

旅館や工場などの送迎などで 活躍した初代コミューター

初代の特徴が丸目4 灯のフロントマスク。 長いオーバーハングがお気に入り・・・
8年前にネットオークションで見つけた書類なしのコミューター。
それを部品取り車のつもりで10万円にて購入。

 


 

意外にも車両の程度がよく、ほかのH10系ハイエースと互換性が高かったこともあり、乗ることを決意。15人乗りのコミューターは大型登録(2ナンバー) となるため、10人乗りに変更して3ナンバーへ。乗り出しまで2年という長い歳月をかけてナンバーを取得することに。
オーナー様は、現在ではイベントだけで3万kmを走破。
最長は岡山〜山形間。驚くことに、コミューター以外にも 昭和48、49年式の3方開トラック2台と50年式のワゴン1台の、 計4台のクラシックハイエースを所有。

 


 

コミューターは15人乗りだったため、おもに送迎の ためのクルマとして活躍していた。

 


 

商用車然とした質素な装備。フロント中央席の下にエンジンが収まっている。

 


 

エンジンは整備性が高い。
各所にセンサーを取り付け、愛車の健康状態をチェックしている。

 


 

上下分割のリヤゲートを採用するのも初代のポイント。
荷室もしっかりと広さを確保。

 


 

 

初代 ダブルキャブ(昭和48年式)

数あるボディバリエーションの なかでも珍しいダブルキャブモデル

 

元々は北海道で使われていた車両を、前オーナーから譲り受けた。
見つけたときは、ほんとうによく残っていてくれたなという気持ちでいっぱいになったとオーナー様談。

 

ハイエーストラック は1967年から2001年までモデルチェンジを繰り返し生産された。

 


 

B-4

畑や工事などの現場で活躍していた、まさに働くクルマ。
ダブルキャブはリヤシートがあるものの、リクライニングはなく足下スペースはやや狭めな作りになっている。

 

 

2代目  バンデラックス10人乗り(昭和54年式)

子供のころから好きだった1台だそう

 

以前は新車で購入した100系ハイエースのディーゼルエンジンモデルを所有していたが、 排ガス規制により泣く泣く手放すことに。
当時から所有しているランドクルーザープラド78もあったが、ちょうど7年前に知り合いから
国産旧車ショップの名店〝バラクーダ〞で2代目初期型の出物があると聞き、冷やかしがてら見に行くことに。

バラクーダ


 


すると、
目に飛び込んできたグリーンカラーのボ ディが小さいころから好きだった思いを刺激。
さらに車両の程度も思った以上によかったこともあって購入。
発売から30年以上も経つモデルだが、購入後も大きなトラブルもなく
旧車のイベ ントや家族とのドライブなどで活躍中。
2代目も初代同様、もう残っている台数も少ない。
できるだけオリジナルの状態を維持しながら、今後も動態保存に努めていきたいという。

 

愛らしい顔で今なお人気の2代目。当時のオプションだったアンダーバ ーとフォグを装着。

 


 

ギヤボックスは4速コラムシフト。
年式相応のシートは自作シートカバーを施している。

 


 

シートは前から3/2/2/3のレイアウト。9人乗りの設定もあった。

 


 

前期(77 〜79年)モデルの定番カラーがこのグリーン

 


 

スチールホイールにはオプションのプリムリングでアクセント

 


 

 

2代目  ワゴンスーパーカスタム9人乗り (昭和55年式)

父親が乗っていたのと同じ中期モデルにこだわる

 

昭和55年にマイチェンが行なわれ、ファンには中期型と呼ばれる。ホイールは珍しいリョービ製。

 


 

親父が乗っていた中期モデルにあこがれ同型のクルマを探すようになったというオーナー様。
長い時間をかけ探していたところ、旧車ショップ〝バラクーダ〞にワンオーナー車が入庫したと聞きつけ旧車ライフがスタート。
もちろん今後も乗り続ける予定だが、 自分が降りるときはトヨタ博物館へ寄贈したいという心構えも、中期モデルへのこだわりを感じさせる。

 

購入後、つり型エアコンを装着して車内は快適。扇風機との併用で9人乗りでも問題なし

 


 

今では定番のフルフラット展開もこのモデルから。RVブームに対応しシート地も豪華になっている。

 

 


 

2代目 コミューター 10人乗り(昭和57年式)

未再生のボディで 当時の雰囲気をそのまま 残す極上コミューター

 

クラシックハイエースのオーナーズクラブ 〝ハイエース クラシックス〞の会長を務める 酒井さんは、何とまだ26歳!
幼少のころ、親が40系の茶白2トーンのバンを所有しており、
家族内ではチョコレートバスの愛称で呼んでいた。
大人になってもハイエース好きは健在。自動車販売業を行なう仕事柄、
業務販売用の中古車オークションを見ていたところ、この20系コミュ ーターを偶然発見。
気がついたときにはもうすでに購入していたという。

 

コミューターはデビュー時からハイルーフを採用。
全体的に丸いフォルムが愛らしい。

 


 

前オーナーがジーベートというサビ止めを施して車庫保管していたので、
35年経った今も新車のようだ。

 


 

よくぞ残っていたと言いたくなる未再生のボディは内外装ともに美しいままの状態

 


 

シートは前から3/3/3/3/3の5列。
2〜4列は通路を確保するため補助シートになる。

 


 

ホイールは純正のスチールではなくアルミのディッシュに変更。
タイヤはホワイトリボンを装着。

 


 

 

2代目 バンデラックス10人乗り (昭和57年式)

ひと目惚れしてしまい購入! 珍しいカタチで子供たちも大喜び

 

50系を探していたときに偶然見つけ、見た瞬間にひと目惚れして購入。
2代目のなかでも後期と呼ばれるモデルで、先に登場した青沼さんの愛車と同グレード。
この2台を比較してみると前後期の違いがあっておもしろいのだとか。購入して間もないが、
ワタナベのホイールにホワイトリボンタイヤを新調。
家族旅行などでも活躍するという自慢の愛車だ。

 

後期モデルは角目のヘッドライトにグリルが装着されているのがポイント。フォグはオプション品。

 


 

F-3

たくさんシートがあるので子供たちはバス感覚でいろんな所に座って楽しめるのだとか・・・

 

1ボックスカーの元祖「ハイエース」〜オーナーレポート編 その2〜 へ続く

1ボックスカーの元祖「ハイエース」〜歴史編〜

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