知られざるジャパニーズ・バニングの世界〜1981年型トヨタ・ハイエース〜
1981年型トヨタ・ハイエース(LH40V改)
カスタムのひとつとして存在するバニング。
バンニング=VANNING(荷台にものを詰める)を起源とするクルマの改造手法である。
日本においてショーカーのような存在に捉えられがちだが、本来はキャンピングカーの一種である。
しかももっと言うとプライバシーを確保できる自分だけの夢の部屋だったのだ。
悪趣味!?にあらず、当時最先端の部品とフィニッシュ
昭和 56年型ハイエースのスーパーロングハイルーフをベースとして製作されたこのバニング。
現オーナーさんが入手するまではワンオーナーだった。
キャンピングカー登録の8ナンバーで、合法的に公道を乗りまわせる。
ボディカラーはカリフォルニア風バニングが単色(+ エアブラシなど)だったのに対し、’ 80年代初期には塗り分けなどが好まれた。現車はピンクのグラデーション塗装だが、全体にパールが入っており、ソリッドと比較して奥深いツヤがある。
使用するパーツもすべて当時の一流品
180mm径のヘッドライトはゾルベ。
レンズはグリーンレンズタイプで今日ではなかなか見かけないもの。
純正のワイパーアームやブレードまでボディ同色の塗装仕上げ。
わざわざアームを外して塗ってある点に注目。
FRP製のチンスポイラーも、この20~40系ハイエースが現役時代にしか買えなかったもの。
ホーンは米国ハードレー製(ヤンキーホー ンで有名)のコンボイホーンを装着。
高低のパートを独立して奏でる。当時最高級の製品だ。
カルフォルニア風バニングだとリヤはブロックやらロングシャックルで盛大にケツ上げを行う(リヤ タイヤのサイズを変更する場合もある)が、ジャパニーズバニングは控えめに乗り心地のよさと全体のバランスを重視しているようだ。
トヨタのオーナメントのかわりに、フロントに配置されたハート形のマスコットランプ。
ミラーは一本足のハイウェイミラー。
星マークがプレスされているが、わざわざボディと同色の刺し色を入れている。
内装こそジャパニーズバニング !?
これでもかと昭和の最先端生地、チンチラを使用する内装。
ボンボンの着いたダッシュカバーも送風口やスピーカーグリルの穴が加工されたワンオフ品。
では後部座席を見て見よう。
リヤハッチを開けて内部を見てみると……。ちょっとしたラブホかスナックのよりも豪華だ?
一本足のテーブルは、差し込みを外せば折り畳むことができる。
ベッドに早変わり。
いやぁ、現代のキャンピングカーよりよくできている。
セミダブルサイズのフカフカで寝心地のいいベッドとなる。
ワンオフ製作されたリヤのカーテンを降ろすとこれまたムーディーな雰囲気に。
シャンデリアがまたエロい。
ノーマルも紹介しておこう
このノーマル状態を維持する昭和53年型のハイエースワゴン(乗用グ レード)。
この状態からバニング仕様とするのにどれだけの手間がかかるか比較はできるだろう。
雑誌「オールドタイマー」に、より詳しい記事が掲載されているぞ!要チェック!
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