スーパーカーのある生活「フェラーリ308GTSクワトロバルボーレ」

世界的にヴィンテージスポーツカーの価格が高騰している。
クラシック・フェラーリはその筆頭で、価格が暴騰している。
投機対象として格好の存在になったものだが、
中古相場の話題に比べ、何十年も前に新車で買ったフェラーリに
載り続けているという話はあまり聞かない。
世相など関係なく新車から308に乗り続ける人もいるのだ。

 

フェラーリといえば情熱の赤が相場だが、こちらのオーナーが選んだのはシルバー。
色選びからしても、単にフェラーリが欲しいのではなく、
308に魅せられていたことがわかる。
だからこそ、手放すことすら考えたことはないとおっしゃる。

 

改造は一切せず、車高やホイールもオリジナルのままだ。
一見すると前上がりに感じられる姿こそ、308本来のディメンション。
1オーナーのもと、丁寧に維持された308は、
今でも新車時の走りを備える貴重な箱入り娘だといえる。

 

伝統の丸いテールランプを備えるリヤスタイル。
もっともフェラーリらしいと感じさせるこのエクステリアはピニンファリーナに在籍していたレオナルド・フィオラヴァンティの作品。

 

車高を含めオリジナルのまま維持されている。
もちろん塗装は新車時からのもので、タイヤサイズも変えずに220/55VR390のミシュランTRXを履く。

 

クリーンなフロントエンドは後継の328(‘85年 デビュー)で
フォグランプ内蔵のバンパー一体+格子模様グリルとなる。308ならではの造形美だ。


 

外観同様、スポーツカーの定石どおりで魅力的なインテリア。
ミッドシップらしく足元は広く窮屈ではないがクラッチの重さに生まれた時代を感じる。


 

メーターパネルには5連メーターが並ぶ。
スピードはキロとマイルが併記され、タコのレッドゾーンは7700rpmからとなる。


 

308最終型のクワトロバルボーレには81mm×71mmのボア・ストロークから2926ccの排気量となるV8DOHC4バルブエンジンが採用された。最高出力は240ps/7000rpm。


 

若いころにレースで磨いた運転技術で 308をフェラーリらしく走らせる。
まだ船橋サーキットがある時代、愛車をル・マン商会に依頼して改造しレースに熱中した。
今でも衰えていない腕前にも納得だ。


 

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