冬の富士を眺めながら
冬のこの時期、全国の河川は禁漁の時期を迎える。
釣り人達にとって、この数ヶ月は退屈な時期となってしまう。
そんな中でも禁漁を迎えず、釣りを一年中楽しめる場所がある。
富士の麓。山梨県は富士五湖の一つ、本栖湖だ。
ジャンキーな釣り人達にとっては『冬の風物詩』となっている。
釣り人の朝は早い。
気温はマイナス表示。例年に比べればまだまだ暖かいくらいだろか。
日の出の1時間前には釣り場へ到着。
この時期の朝は澄んだ空気のため、雲一つない朝を迎えることが多く、素晴らしい富士山を拝むことができる。
風がなければ湖面は鏡のようになり逆さ富士も現れることも!
これも楽しみの一つだ。
日の出前から訪れているのは釣り人だけではない!
釣り場に隣接する展望台にはカメラマンの列。
釣り人より多いのではなかろうか?
どこかで見たことのある富士山。
そう! ここは千円札に描かれた富士山を撮影できる人気スポットである。
東から登る太陽。
この角度からの日の出は今の時期しか望めない。
刻々と変わる、富士の姿。
釣りをすることも忘れ、携帯カメラで何枚の写真を撮っただろうか…。
マイナス気温の極寒の地。
ジャンキーな釣り人達はウェーダーを履きこんで湖に浸かる。
今回はフライフィッシングを楽しむ。
優雅にフライラインをキャストして釣る。
そんなイメージのフライフィッシングだが、水に浸かったラインは一瞬で凍りつき、手はガチガチ。
それでも釣り人はキャストを続ける。
いつか来るであろう魚の当たりを信じて…。
その時は来た!
銀色に輝く綺麗な魚体。ニジマスだ!
釣り人は青く輝くニジマスを『ブルーバックレインボー』と呼んでいる。
本栖湖のニジマスはそう簡単には釣れない。
それでもこの一瞬の喜びを求めて、ジャンキーな釣り人達はここを訪れる。
富士を眺めながら、一匹を求めて。
この時間が最高に幸せだ。
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