キャンピングカー装備基礎知識「サイドオーニング」
キャンピングカーを構成する装備品には、高価なものが少なくない。
簡単に買い替えができるものではないので、クルマを購入する前に、どんなものがあり、
自分の使い勝手に合うか見極められれば、無駄な出費も抑えられる。
知っておくとためになる基礎講座である。
サイドオーニングは、キャンピングカーの日よけであり、日本では雨よけ・風よけにもなる。クルマの外にも居住空間が広がり、オーニング下でリラックスできる。
日本ではおもに3メーカーの製品が流通
FIAMMA
1945年にイタリア北部で創業したFIAMMA(フィアマ)社。最初に生産したのはコンパクトガスレンジだという。サイドオーニングやサイクルキャリヤなど、キャンピングカー関連用品の世界的なブランドである。
DOMETIC
RVだけでなくヨットやトラックなどの冷蔵庫や家具なども製造販売。最近ではテントメーカーのKAMPAを傘下に収め、2月のジャパンキャンピングカーショーでは、エアで組み立てるカーサイドテントの展示も。
THULE OMNISTER
もともとオムニスターの単独ブランドだったサイドオーニングで、製品としての評判が高かった。ルーフキャリヤなどでおなじみのスーリー社の傘下になり、
スーリーオムニスターと名前が変わった。
日本RV協会のアンケートでは、長年にわたって人気の装備品であったが、最近は道の駅などの車中泊利用が増えたためか、以前ほどの人気ではないが、広げた様子を見てわかるとおり、キャンプ映えするし、個人的には必須の装備としてお薦めする。
後付けやDIYもできるが、ボディに穴を開けたりなど取り付けが面倒なので、新車購入時に取り付けたほうがいい。何度か取り付け体験をしたことがあったが、何しろ重いのだ。
例えば、ドメティックの3mの長さのオーニングは24㎏ある。
これを人の力だけで取り付けるクルマの高さまで持ち上げるのは大変。持って移動するだけでも大人2人以上は必ず必要だ。
またこれだけの重さのものが、万が一走行中に外れたことを考えると、やはりDIYでの取り付けは慎重になる。
フィアマでは最近ブラックとチタン、ドメティックではブラックカラーも追加になったので、バンコンのボディと合わせてカラーコーディネイトできる。
意外と知らない!? サイドオーニングの出し方
[1] クルマのルーフ近くに取り付けられていて、ハンドルをオーニングアイ部分に引っ掛けてクルクル回すとオーニングが出てくる仕組み
[2] 手が届くところまでオーニング部分を引き出したら、次に脚を出す。メーカーによって脚の動きが微妙に違うが基本的には同じ
[3] 折りたたまれている脚を高さ調整しながら出す。出す方向はやや前方へ。オーニングを出したときに垂直になる位置にセット
[4] 左右の脚を出したら、引き続きハンドルを回しオーニングを出す。脚の高さを調整するときに、片側だけ少し低くすると雨水がたまらない
[5] オーニングは出したい量よりも多めに出して、少し巻き取るようにするとピンと張って、風に無駄にはためくことなく、見た目もかっこいい
タイダウンで風対策
オーニングは面積が大きいので、風にあおられると弱い。しっかり固定しておくことが重要だ。
サイドオーニングの脚先をペグで固定するのもいいし、専用のタイダウンキットを使って固定するのもお薦め。特に長期滞在をするような場合は、あると安心な装備品だ。
フィアマ オーニングタイダウンキットS黄
価格:4400円
システムキャリヤ+ブラケットで取り付けも可能
システムキャリア用オーニングブラケット(フィアマ製オーニング用)
バンコンなどに取り付ける場合で、ボディに穴を開けたくないなら、システムキャリヤに取り付けるタイプのブラケットを使うという手がある。
該当するブラケットがあれば、スマートに取り付けが可能である。
価格:7700円(1個)
システムキャリア用オーニングブラケット(フィアマ製オーニング用)
ぶつけても安心の補修パーツ
国産車の場合は、たいていボディ左側の高い位置に取り付けることが多いので、道路脇の街路樹などにこすったり、ぶつけることも多い。また紫外線により劣化することもある。オーニングカバーのほか、脚部分の可動部品などがスペアパーツとして用意されている。
操作ラクラク。電動タイプもあり
手動で操作するタイプがほとんどだが、電動タイプも存在する。出し入れはスイッチ1つなので簡単。使う頻度の多い人は電動タイプを装備することも視野に入れてもいいかもしれない。
万が一バッテリー切れの場合は、手動での操作にも対応できる。ただしキャンプ場でサイドオーニングを出すのは楽しい行為でもあると思うので、手動で十分だと思う。
キャンピングカーパーツセンター
TEL:04-2936-6476
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