REのエキスパートが挑み続ける果てなき熟成 SAVANNA RX-7(’78年式)

REのエキスパートが挑み続ける果てなき熟成 SAVANNA RX-7(’78年式)

 

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「 ロータリーのことで、わからないことはない」と語るジャックポット代表の奥原さんが、実に20年以上にわたり熟成を続けるマシンが“Jacky”ことSA22C改のスペシャルだ。

ベースは前期の’78年型であるが、前後バンパーレスやコントラストの強いツートーンカラーなど、もはやノーマルのディテールは影を潜め、その特徴あるフォルムSAであると認識できる程度にフルカスタムが施されている。

 

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エンジンはロータリー乗り憧れのペリフェラルポート仕様で、ハイパワーゆえの大音量を想像するが、ワンオフのスペシャルマフラーにより気兼ねなく乗れる音量に抑えられている。

足まわりは後年のRX-7用に換装されており、ブレーキやショックに関しても、ペリの走りにも難なく対応するスペックが与えられている。


 

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13Bはノーマルハウジングベースのいわゆる「改ペリ」ではなく、純正スポーツキットを使用。ローターは高圧縮のRX-8用だ。キャブまわりの冷却ダクト&遮熱板など随所に手が入る。ステーを製作しスラントさせたラジエターや、極力配線類を省き見た目をスッキリさせたのも特徴である。


 

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バンパーレスとなったフロントまわり。特徴的なデザインのグリルをワンオフ製作し、リトラを上げなくともパッシングが可能となった。


 

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シートは以前、奥原さんが製作したバケット型をベースにオリジナルの「刻クロス」で張り替え。デジタルデータを駆使した特殊プリントゆえ、文字なども容易に入れることができる。


 

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バッテリー、点火系ユニットなど大型の電装部品は後席部に移設。このためエンジンルームが非常にスッキリしているのだ。


 

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フロントブレーキはFC3Sのハブやローター、キャリパーを流用し強化。リヤはSA22C後期ターボのホーシングでディスク化している。


 

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車内に張り巡らされた12点支持のロールケージ。SAのボディ形状に合わせた、奥原さんオリジナルの設計だ。


 

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オーナー

JACKPOT 代表  ジャッキー奥原さん


 

 

REのことでわからないことはない  JACKPOT(ジャックポット)

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マツダロータリーを筆頭に、キャブレター車、NA車をメインに扱う専門店がジャックポットである。

代表の奥原さんは高校時代に発売された、SA22Cこと初代RX-7に心を奪われる。当時はREだからではなくカタチに衝撃を受けたと言うが、現在も深くSA22Cに関わっているのも、自身の原体験があるからこそと言える。

’91年に埼玉・大宮市で開業した同店は、数度の移転で現在は白岡市に店舗を構える。開店当初はスーパーセブンも売るウエーバーキャブ専門店だったが、徐々にRE車の扱いが増え現在に至る。

同店のスタンスとして、”調子良く走らせること”に重点を置いていることが挙げられる。「多少外観はヤレていても、調子さえ良ければオーナーは乗るんです。私としては乗ってくれるお客さんの手助けをしたい」と奥原さん。

それに共感してか、全国から古いRE車の修理依頼が舞い込む。地元の整備工場にもさじを投げられた希少なRE車たちのどれもが、オーナーの強い思い入れがある車両ばかり。何としても完調にして応えたいと、奥原さんは難題を抱えた車両に日々対峙しているのだ。


 

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ジャックポット代表のジャッキー奥原さん。多くの車両を手がけてきたが、積極的な車両販売はしない。現在お店にある販売車両も、本当に大切にしてくれそうな人に売りたいそう。思い入れが重要ということだ。最近、大のお気に入りの「ICHI」ことフォードF-1と一緒に(もちろんロータリーではありません)。


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純正「マッハグリーンメタリック」を完璧に再現し、フルレストア中のSA22Cのリミテッド。エンジンについても奥原さんが完璧に仕上げ、最高の1台が出来上がるに違いない。


 

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ポートが大きく完成された、「NA最強」の55年12Aのベースエンジン(組み上げ前提の販売用)。極上ハウジングを使い、お好みに仕上げることが可能だ。


 

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エンジンのハウジング類をはじめ、部品はウエットブラストで美しく仕上げる。車体は綺麗でもエンジンが汚れている車両は作らないのが奥原さんの信条。


 

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現在、製作中の10Aブリッジ。P30の小野寺さんのサバンナとほぼ同仕様だ。ハニカムの排気ポートは拡大に難があるが、タイミングは良好とのこと。


 

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すでにマツダで廃番になった部品は多い。代替の利かないハウジング類は、旧型13Bはダメだし、12Aもことごとく出ない。よっていかにストックするかが重要になってくる。

 

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これは珍しい。カペラの12A用純正スポーツキットのダウンドラフトキャブだ。ダンドラキャブというとウエーバー48IDAが定番だが、これは日立製である。


 

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ここ最近、同店が熱心に取り組んでいるのは「刻クロス」のバリエーション化。

SA22C用はとっくに全色そろっており、好評販売中。


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