40年以上現役のダイナ2t車 TOYOTA DYNA RU15(1976)レポ。

消え去った’70年代キャブオーバートラック

18年ほど前ならば「どこそこの山林ではまだオート三輪を使っている」という話を聞くことがあった。
ではオート三輪の次世代、いや次々世代の四輪キャブオーバートラックが元気に働いているかといえば、そちらのほうこそ絶滅が危惧される。

 

オート三輪は物珍しさゆえ、
ある時期から保存活動?が盛んになったのか、現役引退後も生き残るものが多かった。
しかし、’70年代のキャブオーバートラックは誰にも注目されることもなく、
役目を終えればスクラップにされてしまった。

 

今になって三菱ふそうのT200系キャンター(通称Vキャン)がマニアの人気となり、
プラモデルまで発売されている現象を見ても、我々の郷愁が自然とこうしたトラックにむいていることがわかる。

 

 

40年間、無遅刻無欠勤。いつでも仕事に行ける  新車時から現役で働き続けるトヨタ・ダイナ

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今も現役である証の、桟橋(重機用積み降ろし用のラダー)。
ここに小型のバックホーなどを積んで建築現場に向かう。

 

いまだ現役の197(6 昭和51)年式トヨタ・ダイナ。
2t積 のロングでかつては材木を積んだが、今は建築足場やバックホーなどを運んでいる。
車体の下半分が濃紺、上半分がグレーは波田材木のカンパニーカラー。
他のトラックも新 車時から同じ塗り分けがされている。敷地 1500坪の作業場にはかつて製材を行っていた建物のなごりがある。
現在は製材は行わず、また製材された木材をストックすることもない(湿気によりしなりや狂いが生じるため)。

 

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屋根下保管のためサビは少ない。
エンブレム下、パネルの継ぎ目、こすれたバンパ ーなどからわずかにサビが浮く程度で、
40年を経た現役実働のトラックとしては極上の部類。新車時塗装の上からさらに塗り重ねたのがよかったか。
下まわりの塗り固めも厚く、ひび割れている。

 

「住んでよし 心ゆたかな 木の住まい」が 波田材木のキャッチフレーズ。
ミラー類はさすがにオリジナルではない。かつては狭い山道を行くことが多く、とうに割れて交換しているのだ。

 

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パッセンジャーシートの座面 を上げると5 R 型ガソリンエンジンが現れる。
水冷直列 4気筒 OHV 1994 ccで 98ps/5200rpmを発生。
現在、走行約 7万kmだが大きな部品交換をしたことはない。

 

40年間1度も休むことなく車検を継続取得。
下まわりもきれいに整備されている。15年前にプロペラシャフトが脱落したほかに、
これといったトラブルはない。ブレーキは 4輪油圧ドラム式だ。

 

クーラーの代わりがコレ。
三角窓さえあれば大抵の夏はやり過ごせたものだが ……。

 

セミベンチの 3シーター。ビニールのシート生地はツルツルのレザータイプではなく、バックスキン調のもの。
当時としては最新素材だったに違いない。

 

シートベルトは装着が面倒な3点式。巻き取り機能は付いていない。

 

手前のTバーはサイドブレーキ。ヒーター はダルマ式ではないが、
それに準ずるシンプルなもの。当然、クーラーはない。

 

ドアの内張、マット類も 40 年前の新車時からのもの。
このブルーはオリジナルのボディ色だ。ウインドーレギュレーターは当然、手動式。

 

 

ダイナを所有する波田木材株式会社とは?

戦前から続く地元の老舗企業。現在は建 設工事全般を請け負う。
案内された事務所はきれいなウッディ調。しかし土足で 上がってくれという。
地下足袋で上がれるようにしてあるためだとか。

 

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波田木材株式会社

 

雑誌「オールドタイマー」に、ダイナとそのオーナー鈴木さんのヒストリーが掲載されているぞ!要チェック!

Old-timer(オールドタイマー)2014年 02 月号

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