クルマときどき山歩き 〜福島初級編②〜

駒止湿原

湿原の高山植物に囲まれてのんびり楽しむ木道歩き

駒止湿原は標高1000〜1200mに点在する大小10数個の湿原群。水生植物が数万年かけて堆積して生まれた古い湿原で、470種を超える湿原植物が自生し、国の天然記念物に指定されている。湿原は昭和村と南会津町にまたがり、双方に入口があるが、今回選んだのは国道289号の旧道、駒止峠(南会津町側)からアプローチするルートだ。

ブナ林に囲まれた湿原は、冬は深い雪に覆われ、5月初旬まで残雪が見られる山深いところ。春の訪れを告げるミズバショウが顔をのぞかせると、次々に花が咲き、初夏はワタスゲやニッコウキスゲが群生する花の宝庫としても有名だ。

いくつも点在する湿原のうち、代表的なのが大谷地、白樺谷地、水無谷地の3つの湿原。駒止湿原は低層・中間・高層湿原の植物が見られることで知られているが、この3湿原をめぐるとその変化がよくわかる。木道を進みながら草花をじっくり観察すると、アシの生えた低層湿原からミズゴケなどが多い高層湿原に少しずつ変わるのが見て取れ、のんびり散策が楽しめる。視線を遠くに移すと、草原のような湿地が広々と横たわり、まさに自然の楽園。3つの湿原は木道をつないでめぐることができ、どこもアップダウンのない平坦な道なので自分のペースでのんびり歩ける。

湿原

湿原地図湿原ルート図

 

スポット紹介

高清水自然公園

淡いピンクの花を咲かせるヒメサユリの群生地

駒止湿原1-1

駒止湿原1-2

キャンプ場やバーベキュー場などの施設を併設した多目的自然観察公園。ヒメサユリの群生地としても有名で、初夏には7ヘクタールの敷地いっぱいに淡いピンクの花が咲き乱れる。日本名水百選にも選ばれる湧き水は、花泉酒造の仕込み水にもなっている。


【DATA】
入場無料/ 8:00~ 17:00 /無休(冬季閉鎖)/南会津町界字長地沢口4298-12 /TEL.0241-78-2115


さかい温泉 さゆり荘

のどかな田園風景を一望する高台の温泉ホテル

駒止湿原2-1

駒止湿原2-2

伊南川の清流と豊かな自然につつまれた奥会津・南郷町にある温泉ホテル。南郷スキー場近くの高台に建っているため、客室からも、大浴場からも、のどかな田園風景が一望。1名でも利用でき、地酒をたっぷり味わえる飲み放題プランなども用意。


【DATA】
1泊2食付7500円(税別)~/南会津町界字上ノ山4308-27 /TEL.0241-73-2121


 

花泉酒造

絞りたての銘酒は宿での晩酌にも土産にも最高!

駒止湿原3-1

駒止湿原3-2

「奥会津の幻の銘酒」とも呼ばれ、首都圏ではなかなか入手できない花泉酒造のお酒。これを手に入れたいなら酒蔵に直行するのが一番だろう。
残念ながら土日は休みだが、平日なら出来たてホヤホヤの『花泉』『ロ万(ろまん)』が購入できる。


【DATA】
8:00 ~ 17:00(12:00 ~ 13:00は昼休み)/土日定休/南会津町界字中田646-1 / TEL.0241-73-2029


 

前沢曲家集落

農耕馬と一緒に暮らした曲家がそのまま残る集落

駒止湿原4-1

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明治40年(1907年)の大火により、全戸が焼失してしまった旧舘岩村の前沢集落。そのときひとつの大工集団が家々を立て直したため、統一された、美しい集落の風景ができあがった。集落内への車両乗り入れはできないので、歩いて見学しよう。


【DATA】
入館料300円(資料館)(税込)/ 8:30 ~17:00 /無休(冬季閉鎖)/南会津町前沢/TEL.0241-78-2795


 

民宿「山楽」

奥会津の山里の暮らしと秘湯・湯ノ花温泉を堪能できる

駒止湿原5-1

駒止湿原5-2

女将が打ち上げるそばをはじめ、季節の山菜や野菜、川魚をたっぷり味わえる民宿。建物は築130年を経ている曲家(農耕馬を室内で飼育したL字型の大型茅葺き住居)で、湯ノ花温泉の宿泊入浴券(翌日まで有効で300円・税込)も用意。


【DATA】
1泊2食付7350円(税込)/南会津町湯ノ花1077 /TEL0241-78-2201

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