クルマときどき山歩き 〜福島中級編①〜

山歩きちょっと不便なくらいが旅をさらに面白くしてくれる

窓やサンルーフを開け放ち、爽やかな風を満喫しながら山道を走る。美しい森や湖、雄大な山なみを眺めながらのクルマ旅は格別だ。

でも、ただ走り抜けるだけではもったいない。たまにはクルマを駐車場に置いて、大自然の中を自分の足で歩いてみてはいかがだろう。クルマの十分の一以下のゆっくりしたスピードで、ときどき立ち止まりながらあたりを見回せば、ふだん気付かなかった何かがきっと目に飛び込んでくるはずだ。


安達太良山

360度に広がる絶景を求めいざ岩塊の山頂へ

安達太良

 

鉄山鬼面山など、いつくもの山々からなる安達太良連峰の主峰をなすのが安達太良山だ。彫刻家であり、詩人でもある高村光太郎の詩集『智恵子抄』に登場する山として有名。5月から開山するが、雪深い地域なので登山道には夏近くまで雪が残り、夏でも涼しい。 登山口は複数あるが、わりあい楽に登れるのは奥登山口からのルート。東北道・二本松ICから国道459号を西に向かい、名湯岳温泉のさらに奥にあるスキー場のゴンドラ〝あだたらエクスプレス〞を使って山頂部近くまで行ける。ゴンドラ山頂から歩き始めると最初は木道歩きが続き、しだいに本格的な登山道に変わっていく。仙女平からの登山口と合流すると、ややきつい登り道。休み休み登り続けると、なだらかな広場のような山頂に着く。木々のない開けた山頂には、その形から乳首山とも呼ばれる特徴的な岩塊があり、はしごや鎖場を通って岩の最上部まで登ると、磐梯山や吾妻連峰など周囲の山々が一望できるパノラマビューが広がる。

下山は、くろがね小屋を経由してゴンドラ山麓駅まで歩くのが一般的だが、時間や体力に余裕があれば、山頂から尾根沿いに進み、爆裂火口跡・沼の平に寄り道するのもいいだろう。歩行時間は10分ほど増えるが、草木の生えない荒涼としたエリアは自然のパワーが感じられる安達太良山ならではの風景だ。

安達太良地図安達太良ルート

TREKKING DATA
  • レベル/中級向き
  • 歩行時間/4時間30分
  • 距離/約7km
COURSE TIMER

あだらエクスプレス山頂駅

↓ 1時間30分

安達太良山頂

↓ 1時間

くろがね小屋

↓ 2時間

山麗駅

 

スポット紹介

あだたらエクスプレス

約10分の空中散歩で気軽に安達太良山頂直下へ

あだたら1-1あだたら1-2山歩きは得意ではないけれど、安達太良山の山頂をきわめたい。そんな人におすすめなのがあだたらスキー場に架かるゴンドラ〝あだたらエクスプレス〞だ。標高差400mをわずか10分で駆け上がる高速ゴンドラで、一気に山頂近くへと入っていける。


【DATA】
片道900円(往復1600円)(税込) /8:30 ~ 16:30(山麓駅発15:50最終)/あだたら高原リゾート/TEL.0243-24-2141

 


 

ながめの館光雲閣

運が良ければ雲海とも出会える眺望抜群の老舗宿

あだたら2-1あだたら2-2岳温泉最奥部の高台に建つ明治39年開業の老舗宿。自慢は客室や露天風呂からの眺めの良さで、宿の名の通り、運が良ければ雲海から昇る朝日を拝むこともできる。温泉はもちろん源泉100%の掛け流しで、メタケイ酸をたっぷり含んだ美肌の湯。


【DATA】
日帰り入浴700円(11:00 ~ 15:00)(税別)/ 1泊2食付1万500円(税別)~/二本松市岳温泉1-85 /TEL.0243-24-2101

 


 

空の庭自然レストラン

美しい森と緑鮮やかな庭に囲まれたレストラン

あだたら3-1あだたら3-2緑に囲まれた静かな空間で、新鮮素材をたっぷり使った欧風料理を堪能できる店。ランチメニューの帆立・白身魚・海老のポワレ(写真)はスープ、サラダ、パン(ライス)、プチデザート、ドリンクまで付いて1580円とリーズナブル。ディナータイムにはコース料理もあり、贅沢気分を満喫できる。可愛いプチホテルも併設。


【DATA】
10:00 ~ 21:00(ラストオーダーは20:00)/無休/二本松市岳温泉2-56 /TEL.0243-61-1837


 

フォレストパークあだたら

露天風呂など施設が充実した公営の総合レジャー施設

あだたら4-1あだたら4-2緑に囲まれた広大なオートキャンプ場をはじめ、日帰り温泉、森林学習施設、炭焼き体験館など、自然と仲良くなれるさまざまな施設をもつフォレストパークあだたら。岳温泉の南、安達太良連峰の中腹にあり、キャンプ場内にはトレーラーハウスやコテージもあるので、気軽にアウトドアを楽しむことができる。


【DATA】
施設利用料630円(税込)/コテージ(5人用)1泊1万7850円(税込)/大玉村玉井字長久保68/TEL.0243-48-2040


 

道の駅つちゆ

標高800mの道の駅からは福島盆地を眼下に一望

あだたら5-1あだたら5-2中通りと会津地方を結ぶ国道115号バイパス沿いにある道の駅つちゆ。安達太良連峰を貫く長大な土湯トンネルの東側にあり、眼下には福島盆地を一望にすることができる。食事処が充実しているほか、名物・土湯こけしなど土産品も豊富に揃う。


【DATA】
9:30 ~ 18:00(冬季は17:30まで)/無休/福島市松川町水原字南沢41-2 /TEL.0243-24-2148


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